Yves Klein, Saut dans le vide, 1960 ときどき空を飛ぶ夢を見るらしい。 で、どうやって飛ぶの?と訊いてみたところ、早歩きをしているうちに、足が少しずつ浮きはじめ、気づいたときには飛んでいるのだ、とうちのひとはいう。 私は、夢を見ることや夢を覚えていることがほとんどない。それでもたまに見る夢に繰り返しあらわれるモチーフがあって、それは水にまつわるもの(高波から逃げたり、誰かが水の中に落ちたりする)と人家の地下にあるらしい深い井戸(部屋?)に関するものだ。さまざまなヴァリエーションがあるとはいえ、そこに刻印された気分は共通している(ような気がする)。 ボルヘスは、あらゆるプロットはおそらく少数のプロットに帰着するのではないかといっていた。ほとんど無限ともいえるプロットの変奏は、プロットがみている夢なのかもしれない。 * リビングルームの正面の街路樹にいつのまにか鳩が巣を作り、卵を温めている。窓からほんの5メートルくらい先なので、室内からも様子がよく見える。鳩もこちらの視線を意識しているようなので、安心して卵をあたためられるよう、ここ数日、昼間はうすいレースのカーテンを閉めっぱなしにしてしている。 そして、家の屋根にもカモメが巣を作りはじめているみたいで、作りかけの巣のパーツがバルコニーに落ちてきたりする。建物の管理組合のみんな(といっても4世帯だけだけど)と相談した結果、カモメのご夫婦には、巣作りと子育てをこのままつづけていただいて、こちらはあたたかく見守ろうではないかということになった。どうせすぐ下は、(上の階の家の)物置になっている屋根裏なので、騒音も気にならない。ただし、毎日バルコニーを掃除しないとたいへんなことになりそうだ。 去年の夏は、反対側の家の屋根でカモメが子育てをしていた。よちよち歩きをはじめたばかりのカモメのひなたちが屋根の周りをうろうろしていて、いまにも落ちてしまうのではないかと心配したことを覚えている。 前に小津夜景さんの ブログ で読んだのだけど、街なかではカモメは害獣とみなされ、駆除の対象になったりもするらしい。駆除の方法はたまごに青い絵の具を塗るというもの。なんでも、 絵の具を塗られた卵は孵化しないとか。ほんとうかどうかは知らないけれど。 こんな抜書きを見つけた。引用元URLはサービス終...